シャブティいろいろ

『なぞとき博物館(はくぶつかん) ミイラの呪文(じゅもん)がとけちゃった?!』に出(で)てくる、シャブティ。

古代(こだい)エジプトの王(おう)は、死者(ししゃ)の国(くに)でよみがえるために、ミイラにされました。王の墓(はか)には、死後(しご)の世界(せかい)で使(つか)えるようにと、豪華(ごうか)な家財道具(かざいどうぐ)がそえられていますが、それにくわえ、あの世(よ)で王のめしつかいとなるように作(つく)られた、小さな人形(にんぎょう)たちも入れてあります。それがシャブティとよばれるものです。

前回(ぜんかい)の記事(きじ)で紹介(しょうかい)した、《クレオパトラの針(はり)》を見に行ったついでに、《メトロポリタン美術館(びじゅつかん)》のエジプト展示室(てんじしつ)にたくさんいる、シャブティたちに会いに行ってきました。

ここにならんでいるのは、どれもみんなシャブティです。いろんな材質(ざいしつ)で作(つく)られているんですね。青(あお)い陶器(とうき)のシャブティが、よくあるタイプのようです。でも、『なぞとき博物館』のイラストにえがかえれている、愛(あい)らしいシャブティたちにくらべると、青(あお)いシャブティはちとこわい気(き)が。この中から選(えら)ぶとしたら……このタイプなんてどうでしょう?

素朴(そぼく)ながら清潔感(せいけつかん)あるシャブティさん。作(つく)られてから何千年(なんぜんねん)もたっているとは、とても思(おも)えません。

シャブティたちがいるエジプト展示室(てんじしつ)は、見どころが多く、いつも見学者(けんがくしゃ)たちでごったがえしています。ミイラの棺(ひつぎ)がならぶコーナーでせすじがつめたくなったり、広いホールにデーン!と展示(てんじ)された古代(こだい)エジプトの神殿(しんでん)に圧倒(あっとう)されたり。 何度(なんど)行ってもあきない場所(ばしょ)です。※デンドゥール神殿(しんでん)がまるごと移(うつ)されたホール。手前(てまえ)の人口池(じんこういけ)に植(う)えてあるのは、古代(こだい)エジプトの紙(かみ)の原料(げんりょう)パピルスです。

クレオパトラの針(はり)

『なぞとき博物館(はくぶつかん) 怪盗(かいとう)レパンをつかまえろ』に登場(とうじょう)するオベリスク、《クレオパトラの針(はり)》は、ロンドンのテムズ川ほとりにたっています。もともと古代エジプトの神殿(しんでん)にすえられていたものの一つで、エジプトからプレゼントとしてロンドンにおくられたのだそうです。

さて、この《クレオパトラの針》、じつは対(つい)になるオベリスクがもう一本ありまして、そちらの方は、ニューヨークの大きな公園(こうえん)、セントラルパークにあります。ロンドンの《クレオパトラの針》のかわりに、写真(しゃしん)をとりに行ってきました。

《クレオパトラの針》は公園の東(ひがし)がわ、《メトロポリタン美術館(びじゅつかん)》の裏(うら)にひっそりとたっています。

 なんでもこのオベリスク、ロンドンにおくられたというニュースを聞(き)いて、「だったらニューヨークにもほしい!」と、エジプトにおねだりしたのだそうです。現代(げんだい)なら、歴史的遺産(れきしてきいさん)をよその国(くに)がもらってしまうなんて、ありえないことですが、当時(とうじ)はあたりまえのように行(おこな)われていました。だから、大英博物館(だいえいはくぶつかん)、ルーブル博物館、メトロポリタン美術館(びじゅつかん)には、世界中(せかいじゅう)の古代遺産(こだいいさん)が展示(てんじ)されているのですね。

ちなみにパリのコンコルド広場(ひろば)にも、エジプトからおくられたオベリスクがあります。これは、エジプトのルクソールという場所(ばしょ)にある神殿(しんでん)から、こちらもペアでたてられたオベリスクを一本だけ、運(はこ)んだのだそうです。

ルクソール神殿(しんでん)の入口(いりぐち)に今(いま)ものこる、もう一本のオベリスク。相方(あいかた)がいなくて、ちょっぴりさびしそう?© Ad Meskens / Wikimedia Commons

ロンドンとニューヨークの《クレオパトラの針》も、もともとはこんな風に、神殿(しんでん)の前(まえ)にたっていたのでしょうね。

料理ガイド本で体験。全米おいしいものめぐり

『フードワゴン・ミステリ―』を訳したとき、屋台やフードフェスティバル関係について調べていたら、こんな本を見つけました。
ナショナル・ジオグラフィック刊行の、”Great American Eating Experiences“.

アメリカ全土の名物料理やおいしいレストラン、屋台、フードフェスティバルなどを州ごとにまとめたガイド本なのですが、パラパラ眺めているだけでも全米を食べ歩きしているような気分が味わえ、なかなか楽しいです。なんといってもナショナル・ジオグラフィック社だけあって、写真がすばらしい。がっつりステーキや素朴なスイーツに混じって、ときおり挟みこまれる田舎の風景やダイナーの外観写真に、旅心がかきたてられます。リンク先のアマゾンジャパンのサイトで、中身検索ができるので、よかったら写真を見てみてください。

ところで、この本にも紹介されていたのですが、フードワゴンといえば、ワシントンDCの充実ぶりは飛びぬけているんだそうです。そういえば以前DCに行ったとき、スミソニアン博物館群の南側に、フードワゴンが延々ずらりと並んでいる風景を見て、圧倒されましたっけ。DCの中心部は博物館や省庁関係の建物ばかりで、飲食店が少ないため、勤め人や観光客の需要が大きいんでしょう。ワゴンはエスニック料理が多く、チベット料理のモモ(蒸し餃子)など、ニューヨークでも見たことのないような珍しいものを売る店もありました。(あのときモモを食べそびれたことが今も悔やまれます……)

ちなみにこの本がおすすめするサンフランシスコ近辺のグルメは、サワードウ・ブレッドとマイヤーレモン(レモンとオレンジを掛け合わせた果物)のケーキ、チョッピーノ・スープ(魚介のトマトスープ)、チャイナタウンの中華料理、そしてクラフトチョコレートだそうですよ。美食の街サンフランシスコだけあって、ラインアップされた食べ物が他州よりお洒落です。たとえばニューヨークの名物としてあげられているのは、ベーグル、ホットドッグ、ピザとチーズケーキですからね……。

 

『暗号クラブ5』のワシントンDC

『暗号クラブ5――謎(なぞ)のスパイを追え!』は、アメリカの首都、ワシントンDCが舞台(ぶたい)となっています。
一年ほど前になりますが、コーディたちのめぐった名所をたどりに、わたしも春のワシントンDCに行ってきました。

まずはここ。国際(こくさい)スパイ博物館(はくぶつかん)。

近代的(きんだいてき)できれいな外観(がいかん)でした。

中には……

毒針(どくばり)がしこんである雨がさ

リップスティック型(がた)のピストル

など、物語中に出てきたアイテムがたくさん。

犬のフンに見えて、じつは中に発信機(はっしんき)がしこんであったり、本物そっくりの木の幹(みき)の中に、スパイ用の通信機(つうしんき)がかくされていたりと、「こんなもの、本気で作ってたの?!」と思わずわらってしまうようなスパイ道具も展示(てんじ)されていました。

コーディたちが体験(たいけん)したとおりの、たのしい博物館(はくぶつかん)でした。スーベニアショップには、『暗号クラブ』の原書も売っていましたよ! 著者(ちょしゃ)、ペニーさんのサイン入りでした。

つぎは、オリエンテーリングの最初(さいしょ)のポイント、ワシントン記念塔(きねんとう)です。

1948年に建設(けんせつ)が始まったこの塔(とう)は、とちゅうで南北戦争(せんそう)がおこったりしたせいで工事が中断(ちゅうだん)しました。そのあと再開(さいかい)され、ようやく40年後に完成。長いブランクがあったせいで、工事の中断前と後では石の色がちがってしまったのだとか。下から3分の1くらいのところに色の境目(さかいめ)があるのが見えるでしょうか。

その後、コーディたちが向かったホワイトハウスと、リンカーン記念堂。

リンカーン記念堂(きねんどう)はものすごい人で、像(ぞう)に近づけないくらいでした。

スミソニアン博物館地区(ちく)では、コーディたちがスパイを追いかけた彫刻庭園(ちょうこくていえん)で、ウサギ像(ぞう)を見つけてきました。

「考える人」ポーズをとるウサギ。

そしてクライマックスのフーバービル(FBI本部ビル)。

威圧的(いあつてき)な感じがFBIのイメージによく合っています……

ワシントンDCは、他にもまだまだいっぱい見どころがあります。街(まち)全体が博物館(はくぶつかん)といってもいいくらい、アメリカの歴史(れきし)を勉強するのにぴったりの場所でした。

フードワゴン・ミステリーの舞台地(Fort Mason Center, Off the Grid)

『フードワゴン・ミステリー 死を呼ぶカニグラタン』に登場するフォート・メイソンのフードワゴン・マーケットは、実在するマーケットがモデルとなっています。

小説とちがって常設ではありませんが、3月初旬から10月下旬までの間、毎週金曜17時から22時まで開催されているとのこと。”Off the Grid“というマーケットです。

事件の舞台となった場所はどんな雰囲気なのか知りたくて、サンフランシスコを訪れた友人に頼んで、写真をとってきてもらいました。かなり前の写真になりますが、こんな感じです。

駐車場の一角がマーケットになっているのですね。どうやら大盛況の様子。もっと近くに寄ってみると……

 

色とりどりのフードワゴンが並んでいます。黒板ボードにメニューが書いてある店もありますね(アビーおばさんのイエローバス風?) マーケットの中心部はお客さんたちの食事スペース。一角でバンドが生演奏をしていて、ミニダンス会場と化していたそうです。手前の方にはミニ屋台のようなお店もずらり。

ちなみにマーケットが開かれているフォート・メイソン・センターは、サンフランシスコ湾に面しています。マーケットから少し歩くと、ゴールデン・ゲートブリッジの姿が。『フードワゴン・ミステリ』の中でシーフード祭りが開かれたのも納得の立地条件です。

“Off the Grid” は観光地からちょっと離れた場所に位置するようで、主に地元のお客さんでにぎわっていたそうです。サンフランシスコの素顔がのぞけそうな場所ですね。

 

 

『なぞとき博物館ーーミイラの呪文がとけちゃった!?』発売中です

NAZOTOKI

1928年、イギリス、ロンドンーー

ロッティとアレックスは、考古学者のバートおじさんといっしょに、大英博物館に住むきょうだいです。

ある日、ひょんなことから古代エジプトの呪いがとけて、博物館は大さわぎ!

いじわる館長に博物館を追い出されないように、二人は呪いをとこうと、ミイラの暗号に挑戦します。

めいろやパズル、暗号問題つきの冒険シリーズ、第一弾。

小学校低学年から楽しめます。

 

暗号クラブ第4巻『よみがえったミイラ』 発売中です

暗号クラブ4『よみがえったミイラ』

校外学習で訪れたバラ十字エジプト博物館で、4人はヒエログリフやエジプト遺跡のおもしろさにふれる。ところが、疑惑の展示物を見つけてしまい──! コーディに、シリーズ最大の危機がおとずれる! 暗号を解きながら読むとおもしろさ10倍! 新感覚なぞ解きミステリー! 新感覚なぞ解きミステリー!

英仏語翻訳者 番由美子のブログです。